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コラム「人と経営」
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■  リスクを真剣に感じなさい No.1  ■
1,震災リスクは経営を揺るがす
三洋電機の2005年3月期は710億円の赤字決算になる予想が出ている。
新潟県中越地震で新潟三洋電子(半導体製造子会社)が被った500億円を超える損害が足を引っ張った。

一方、シャープは液晶事業の好調も有り、2004年9月の中間決算で717億円の利益を計上した。
三重県亀山市に液晶パネルの生産を集中し、韓国サムスンなど世界のライバルと対峙しようとしている。

地震のリスクを日本の企業はどれだけ経営に加味しているのか。
三洋電機の例はその象徴だろう。
ダイエーが凋落して行くきっかけは、10年前の阪神大震災で基幹店が被災したことだ。
その後、坂道を転げ落ちるように業績が悪化していったことは記憶に新しい。

2,天候他のリスクを読み違えていないか
吉野家の業績が他の牛丼チェーンと比べると落ち込んでいる。
この1月の既存店売上高は前年同月比26.2%の減少、歯止めがかからない。
BSE問題に端を発した米国牛の輸入停止が原因。牛丼の品質を落としたことが倒産に繋がった苦い経験をしている同社にとって豪州産に切り替える選択肢はない。

靴下屋という靴下専門のチェーンを展開し上場を果たしたダンという中堅企業がある。
社長の越智さんは「景気が悪いことと靴下の売上げは直結しない。
景気が悪いから我が社の業績が悪いは経営者の言い訳」だと。

しかし、その靴下屋もITバブル後日本の景気後退に伴って数年業績が悪化した。原因は不況ではなく、消費者ニーズを読み違えた。2004年2月決算では挽回を果たしたがまたしても今期は天候不順(猛暑や台風、暖冬)により店頭売上げを落としている。

3,選択と集中はリスクを伴う
「選択と集中」が経営戦略の決め手になっている。米国では「フォーカシング」と呼ばれる。
元々、GE(ゼネラル・エレクトリック)社が業界で1位になれない分野は撤退し、その可能性がある事業に経営資源を集中し大成功を収めたことで注目された。

日本の大企業も追随を行い、キャノンはパソコン分野からいち早く撤退をした。
そういった企業は業績を伸ばしてきた。吉野家の高収益(ビジネスモデル)は牛丼に特化し「品質と価格とスピード」を徹底的に追求し得られた結果だ。靴下屋もしかり。

事業多角化戦略の失敗がダイエーやセゾングループを窮地に追いやった。
集中か多角化という二者択一ではない。
集中するなら、そのリスクを考え対策を経営戦略に盛り込んでおくべきだろう。

4,中小企業は特化戦略、変化は激しい
中小企業で市場のリーダー企業は少ない。ニッチな分野に特化している。 余計にリスク分散を検討しないと市場自体が無くなる可能性を秘めている。
1997年7月タイで始まったアジアの通貨危機が引き金となって、海外進出の成功事例として持てはやされた大阪本社の某メーカーが倒産した。

反対に、中国進出をためらい低価格の輸入商品に市場を席巻された某衣料品メーカーも、昨年市場から退出した。変化は激しい。
先を読めない経営者、企業は生き残れない。市場の変化に細心の注意が必要だ。

                                      (Written by 川下行三 05/02/12)

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