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コラム 人と経営

新しいビジネスモデル No.1

1.登場した格安航空会社(LCC)

3月1日7時、日本発の格安航空会社(LCC:ローコストキャリア)、ピーチが関西国際空港を新千歳に向け離陸した。片道4,000円台からの料金に国内航空会社との競争が始まった。

ピーチは全日空が投資をしたLCC。ライバルの日本航空も成田を拠点に7月から就航する。
全日空とアジアの大手LCC、エアアジアが手を組んだLCCも成田をメインに国内路線に参入する。

LCC元年になる2012年、新千歳、那覇、福岡へ向け、成田、関空を結ぶ路線がスタートする。
3社のLCCに、独立系のスカイマークが加わり、一気に航空運賃が下がる。観光への波及効果も大きい。

2.低価格のビジネスモデル

交通機関の目的は、安全に目的地まで顧客を運ぶことにある。LCCであろうとも、その目的に関わる費用を削ることは出来ない。航空機、整備、人件費など。そして、ピーチはエアバスの最新航空機を購入した。

それ以外の費用は徹底的にコスト削減をはかる。航空券の予約、チェックイン、登場ゲート、本社コスト、機内サービス他。機内飲食代の有料化、持ち込み以外の手荷物も別途料金がかかる。

実際にピーチに乗ってみると、その簡素なチェックイン、登場時の移動、手荷物の受け渡し、機内の座席スペースなど驚きは多い。しかし、定時の着陸、安全(大手航空会社でのベテラン機長を採用)に抜かりはない。

3.世界一のLCC

米国で馴染みのある航空会社はノースウエスト航空、ユナイテッドエアライン、アメリカン航空だが、世界同時多発テロの影響や燃料費の上昇で3社とも21世紀に入って倒産を経験、後、再建(合併を含む)。

世界で一、二を争う航空会社も、この厳しい経営環境では脆かった。
ところが、米国で一番利益を上げ社員にも喜ばれている航空会社が存在する。それが、ダラスに本社を構えるサウスウエスト航空だ。

世界最強のLCCとも評されている同社は、ビジネス路線を対象に人件費以外の徹底的なムダを省き、低価格の運賃と顧客満足を両立する。
年間に1億人の顧客を運び、40年近く黒字経営を続ける。

サウスウエスト航空の運営方針やユニークな文化が好業績を支えているが、次号で詳しく紹介したい。
(Written by 川下行三 12/03/17)
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