人手不足で倒産
1.人手不足倒産
帝国データバンクが1月に発表した2025年の人手不足倒産の件数が427件となり過去最多を更新した。業種では建設業と物流業で163件と多く、従業員10人未満の小規模企業が329件と7割を超えている。
同じく帝国データバンクの調査では2026年1月時点で、正社員の人手不足を感じている企業は約半数、非正社員で約3割。2025年の倒産件数全体で見ると1万261件と4年連続で前年を上回り、12年ぶりに年間1万件を超えた。
倒産原因は販売不振が最も多く、売掛金回収難、業界不振などを含めた「不況型倒産」は8割を占めた。業種別にみると、サービス業が最も多く小売業、建設業と続く。
2.中小企業の採用は
中小の建設業では、人手不足により案件を受注できない。仕事はあるが人手が不足して受注できない。最低賃金が上がり、初任給も上がるのは中小企業には厳しい。
中小製造業D社の経営者は、「新卒の求人をしても、うちには来ない。まして初任給の引き上げは難しい」。卸売業M社役員、「社員を引きとどめる為の給料を上げるのは限界に近づいている」。
2026年2月に実施したアンケート調査(帝国データバンクが)によると、2026年4月入社の新卒社員に対する初任給を引き上げると回答した企業は約7割近く、引き上げ額は平均で1万円を僅かに切る。
3.外国人が補う現場
物価上昇や原材料費の高騰で企業のコストは膨らんでいる。中小企業や小規模企業では、新入社員の給与が既存社員より高くなることは到底出来ない。引き上げに踏み切れても小幅にとどまる。
中小企業が密集する工場街、中規模の物流センターを経営するK社。ここで働く外国人は数十人。ベトナムやミャンマーが中心で彼らは近くの寮で暮らす。日本人の新入社員よりも多くの外国人を受け入れている。
某高級飲食店Sで働くベトナム人Hung君。約2年前に特定技能制度を利用して来日。同じく同店で働くLanさんはホーチミン出身で約3年。Sの経営者曰く、「貴重な人材だ、技術を学び定着して欲しい」。
(Written by 川下行三 26/02/25)